今日から炊飯器を上座に置くことにしました。ー親愛なる炊飯器様へー

私は、いま、家族以外で、ライアン・ゴズリングの次に炊飯器のことを愛しています。

まずは、炊飯器が唯一負けを許した、ライアン・ゴズリングの素晴らしさをお伝えしますね。

本当に完全にカッコいい。
心なしか悲しげな目が本当にどうかしてる。
あと笑う時のニヒルな感じとか。
あと、声。あの声どういうつもりで出してるんだろうか。

ブルーバレンタインという映画で彼を見た時、
ごっそり根こそぎ心を奪われました。
鎖骨下から横隔膜あたりまでごっそりと。
もうしゃっくりに悩まされることもないんだ、と感慨深い気分でした。

そして、Driveという映画では、これまたかっこよすぎて、観終わったあと、ほとんど無意識に

「ライアン・ゴズリング 居住地」
と検索していました。

LAギャングストーリーでもやっぱりずば抜けてかっこよくて、
ラブアゲインでもマネーショートでもすこぶるかっこよくて、

オンリーゴッドは恐ろしすぎて震えたけど、

ララランドでは、生まれ変わったらピアノの鍵盤になるんだ！という夢を見つけることができました。

ゴズリングになら、
好きなタイプは「好きになった子がタイプ」とかいう意味不明な事言われても許せる。

私の中ではもう雲の上、オゾン層あたりの存在です。

もし彼が目の前に現れる日が来たら石化すると思います。
それも本望です。
彼の目の前で石化したら、きっと彼の中で忘れられない女性になれますからね。
ふふふふふふ。

そんなゴズリングに次いで、
炊飯器の事を愛しているのです。

でも正直、28年間、私の中では
「お米を炊くだけの存在」でした。

むしろつわりの時は炊飯器が憎くて憎くて吐きそうでした。
お米を炊くことだけを頼んでいるのに、なぜあんなにもご飯の匂いをばら撒くのか。本当に恨みました。

他人の成功に次いで炊飯器が嫌いでした。

しかし、娘が生まれ、離乳食が始まると、
みるみるうちに炊飯器が神々しく、尊く、愛おしい存在へと変貌していったのです。

なんということでしょう。
神棚に祭りたい。
これからは炊飯器は上座に置くことにします。
車に同乗することがあれば、運転席の後ろの席にシートベルトをつけて乗っていただくことにします。

何故そんなにも愛情が湧いたかといえば、離乳食作りに大いなる力を発揮してくれるから。

離乳食用に根菜を仕込むとなると、コトコトコトコトこれでもかと言うくらい煮込まないと赤子が食べれる柔らかさになりません。
電子レンジで蒸す方法をとると、3回に2回はやりすぎて、シナシナになります。

だけど、炊飯器だとどうでしょう。

ご飯の上に、アルミホイルで巻いた根菜を乗せてスイッチを入れてみると、
1時間後には根菜らしからぬ、もう根菜なんて言わせないよと言わんばかりにクタクタになった根菜、いや、柔菜が誕生しているのです。

娘をおんぶしながら根菜を煮込み続け、根菜の柔らかさと引き換えに、
自分の肩をカチカチにしていたあの苦しかった日々よ。

今ではスイッチ１つで根菜がクタクタに。

100発100中。

炊飯器に投げ入れてしばし待つだけで離乳食にぴったりな柔らかくなった野菜達が現れる。

将来全ての歯が死んでも歯茎だけで根菜が食べられる。
私たちの未来も安心だ。

年金より炊飯器の方がよっぽど信頼できる。

根菜だけではない。
魚を炊くと、茹でるよりはるかに旨味のある状態で火が通る。

ありとあらゆるものをクタクタホロホロにする炊飯器。

私の肩も炊いたらやわやわになるだろうか。

ゴルフボールも炊いたらクタクタになるだろうか。

家中のゴルフボールを炊きたい。

週末のゴルフ場で、
炊いてクタクタになったゴルフボールを打つ旦那に、
出しうる限りの大声で、出来うる限りのドヤ顔で、

「ジャー！！！！」と言いたい。

あぁ、炊飯器が愛おしい。

炊飯器の蓋をあけるあの瞬間が、どれほどまでに幸せを運んで来るのか世の中の人達に伝えたい。

蓋を開けた瞬間に出てくる湯気には、
「コウオンチュウイニン」という、精神的な安定を維持できる有効成分が含まれている。

あの湯気を浴びる事で有効成分が鼻の裏あたりに蓄えられ、
いざという時に全身に運ばれ、荒ぶる精神を安定させる役割がある。

と思っています。

ありがとう炊飯器。
ありがとう炊飯器。

娘も嬉しそうにクタクタの人参を握り潰している。

炊飯器がなければ、人参を握り潰す娘を笑顔で見つめることが出来なかったかもしれない。

私の娘は炊飯器に育てられているも同然だ。

いつの日か何かの作品で、
ゴズリングが炊飯器から上がる湯気にうっとりするシーンが観れる日を楽しみに、強く強く生きて行こうと思っています。

炊飯器最高！