足を崩して読む育児日記

0歳の娘がいます。正座で読むと痺れる育児日記です。

出産したよ(後編)〜2人目が生まれたので出産レポにチャレンジ〜

自分をマリモだと信じ込まないとやってられないような孤独で辛い夜を過ごしたことはありますか?

 

 

 

妊娠39週と6日になったばかりの午前0時。

つまるところ予定日の前日。

陣痛らしきものが来ているさなか、

寝相が神秘的な長女とシングルベットを共にしていたが、突如長女の夜泣きが始まった。

 

シングル〜ベッドで二人〜  涙拭いてた頃〜

 

まさにシャが乱でQ状態。

 

腹が痛くて泣く妙齢の女と、夢と現実の狭間で苦しみ泣く2歳。

これがシャ乱Qじゃなかったらなんなの。はい?

 

そんなことより、シャ乱Qの名前の由来は一体なんなの。ネット制限かかっちゃう寸前でネット使いたくないからだれか教えてよ。

 

まぁ、そんな俗に言うシャ乱Q状態を乗り越え、

長女が寝つき、陣痛の波が落ち着いたころ、

陣痛が今何分間隔できているのか計ることにした。

 

今は7分間隔。

 

病院からは陣痛が15分間隔で来るようになったら電話してくれよな。と言われていた。

 

すでに7分間隔になってる?そうかそうか。これはまずいことになったぞ。

何を隠そう、人に怒られるのが嫌いな平成っ子。

今電話して7分間隔なんて言おうもんなら、「なんでもっと早く電話しなかったのか」と、国家資格をお持ちのちゃんとした大人に怒られるに違いない。

大人になってから、国家資格持ちの手に職つけてる系、勝ち組人間ベムに怒られるってマジきちーから。きちーきちー。

 

怒られないように、かつ、割ともうすぐ生まれるかもしれないということを、伝えなくてはならない。

幸いなことに物事をあやふやにするのは得意分野。

 

その昔、どうしてもデート当日になってデートに行きたくなくなった時、

「家の前の踏切が、なんかしばらく開かないから今日はいけません。」

ってあやふやな理由でうまく断ったことあるし。

 

恐る恐る病院に電話すると、

ハキハキ系女子が電話に出て怖かったから

正直に「7分間隔で痛いです」っていいました。

 

国家資格持ってて手に職つけてるハキハキ系女子に、深夜に電話かけてあやふやな話出来るのなんて、

鋼の心を持った生粋のヒモ男くらいでしょ。

 

ハキハキ系女子に

「すぐ来て!」ってハキハキ言われました。

 

すぐに陣痛タクシーを呼んで、長女を寝ぼけてる旦那さんに託して出発。

 

ちなみに、陣痛タクシーとは陣痛が来た際に呼ぶタクシー。そのまま。それ以外の何者でもない。

 

 

 

そんな陣痛タクシーで病院に着くなり、

「我こそは夜勤の神」と言わんばかりの神妙な雰囲気を漂わせている助産師さんが現れ、1人で来たの?と若干引かれたので「お茶買っていいですか?」って質問返ししました。

 

こいつぁ意思の疎通が難しいタイプの患者だな。と思われたことでしょう。

 

 

その後、助産師さんの尋常じゃない手際の良さで、あまり記憶にないけど、

気がついたら窓のない3畳くらいの部屋のベッドの上にひとり横たわってました。

 

 

え。ここで耐えるの?ひとりで?

私、事前に産院に提出する「バースプラン(お産の際に希望すること)」に

大きな字で『渾身の力でお尻を押していてほしい。』って書いたんだけど。

 

誰も押してくれる人いないじゃん。

アロマを焚いてほしいとか、曲を流してほしいとかそんな高尚なお願いしてないのに、ただお尻を押していてほしいだけなのに。

 

恥を忍んで、お尻を押してってお願いしたのに。

ひとり目出産の時、お尻が爆発するって叫びまくって、立ち会ってた旦那さんに「おい。絶対お尻から手を離すなよ」って凄んだ教訓を生かしたのに。

 

くそぅ。こうなったら一人で産んでやらぁ。

と意外とあっさり腹をくくり、激痛の中Twitterを開き、なぜか炎上中だったムロツヨシのツイートを熟読する。

 

誰にも立ち会ってもらえなくて辛いけど、ムロツヨシも辛いよね。って思いながら陣痛に耐える。

 

そして久々に現れる助産師さん。

「今子宮口7センチだから朝には生まれるよ」

 

そんな言葉を残してすぐ消える助産師さん。

いや、めっちゃ痛いけどどうしたらいいんだ。

 

思考回路がショート。

 

急に自分はマリモだと呟きだす。

あ、Twitterじゃなくてリアルボイスで呟いたよ。物事は誤解がないように伝えないとね。

炎上してバイキングでボロクソに言われることになりかねないから。

 

 

 

マリモは痛覚がないから痛くない。マリモは痛覚がないから痛くない。とブツブツ呟き続ける。

(実際痛覚の有無は知らない。マリモのことはマリモにしかわからない。)

 

よく見ると、壁の模様がマリモに見える。仲間が来てくれたの?マリモありがとう。

 

 

マリモマリモ…と呟いている中、ふたたび現れる助産師さん。

「え?なんですか?」って言ってる気がするけど、気にしない。マリモには聴覚もないから。

 

 

「もうすぐ生まれそうだから分娩台に上がりましょう!」

 

激痛の中、助産師さんに引きずられ、分娩台の上に固定されるマリモ。

この部屋の壁はマリモがいない。どうしよう。

 

マリモの出産ってどんな感じなの?今すぐネットで調べたい。

でも分娩台の上で携帯いじってたら怒られそうだからやめとこう。

目の前にはお産のプロがいるから聞いてみようかな。いや、急にマリモの話しして先生を動揺させたら、お産がこじれるかもしれない。やめとこう。

 

そうこうしているうちに、いきんで!と言われるものの、マリモのことで頭がいっぱいすぎで上手くいきめず、助産師さんがお腹の上に馬乗りになり、お腹をめっちゃ押してくる。

 

お尻は押してくれないのにお腹は押すのか君は!と心の中で叫んだその瞬間

 

ドゥルン!と赤ちゃんが出てきました!!!

 

ちゃんと泣いてるー!

Fuuuuuuuu!!!!

 

早朝6時に無事元気な女の子を出産。

 

感動に浸ろうとしたら、

なぜか胎盤が出てこなくて、寝癖のついたドクターが走ってやってきて、おもむろに肘まで手を突っ込んで胎盤を掻き出すという、すんげーー痛いことされました。

人生でダントツ1番痛かったです。

「これって保険おりますかーー?!!?!?」って叫ぶほど。

たぶんマリモでもさすがに痛いと思う。

 

 

そんなこんなで生まれた我が子。

まじかわいい。

人生で初めて聞いたママの言葉が

「これって保険おりますか」

 

どんな気持ちだったかな?少し大きくなったら聞いてみよう。

 

 

Special thanks

Marimo